CPUクーラー換装

リテールCPUのクーラーを交換


2011/06/01

■ メインPCのCPUクーラーを交換したい

PCを自作して2年以上経った。この間いろんなパーツを足したり交換したり壊したりといろいろあった。 しかしまだ手をつけていない所がある。それはCPUまわりだ。中心的な存在、パソコンの頭脳ともいえるCPUだ。

今回は、このCPUをアップグレードするという話ではなくて、冷却と静音に力を入れようという試みだ。もうCPUはこのLGA775ソケットでは 新しいものに変えてもあんまり意味がない。型遅れなのだ

特にオーバークロックがしたいという訳でもないのだが、リテール品のCPUに付属していたクーラーファンだと 回転数が高くて音が大きくなる。それと同時に、2年も経つとホコリが詰まって冷却性能も落ちてくるので大掃除したい頃だ。

エアダスターを使ったり、ファンの隙間から綿棒を入れて掃除した事は何度もあるがキレイにならない。 このノーマルのCPUクーラーを外して大掃除するくらいなら、いっそ新しいCPUクーラーが付けたくなった

このintelノーマルのCPUクーラーの取り付けは、4つのピンを押し込むというやり方なのだが、最初にPCを組んだ時には マザーボードをケースに組み付ける前だったからうまくいったようなもので、ハッキリ言って今回も自信がないのだ。 なので今回はintelの苦手な4つのプッシュピンを克服し、高性能な静音CPUクーラーを正確に取り付けたい。



■ どのCPUクーラーにするか

現在使用しているマザーボードはLGA775というソケット形状なので今のところPCショップで売っているクーラーは、だいたい対応している。 そして、今後にも十分使えるように、いろいろなタイプの「脚」(取付金具)が同梱されているパターンが多い。intelもAMDもどちらも対応だ。

そこで、今回選んだのはScythe(サイズ)から出ているトップフロー型KABUTO(兜)SCKBT-1000が よかろうという事になった。6本の銅製ヒートパイプと巨大ヒートシンクで、トップに12pファン搭載だ。何といっても価格が安い。 他社のクーラーはこんなに安くない。人気もあるらしい

ネット通販で注文した。3,000円で送料無料だ。 

届いたCPUクーラーの取付金具についているプッシュピンの構造をよく観察する。 何回も空中で押し込みと引き抜き動作を練習する。アンカー的な仕組みがわかった。 730gほどの重量があるので、いい加減な付け方で脱落なんて許されない。バックプレートもないので4本のピンだけが頼りだ。


■ リテールのクーラーを取り外す

ネットで調べたのだが、CPUクーラーを外す前には一度PCを起動して、何か負荷をかけてやりCPUの温度を少し上げておいた方がいい。 これはCPUに塗られているグリースを柔らかくするという効果がある。つまり外れやすくなるのだ。

ある程度CPU温度が上がったので電源を落として裏側のケーブルをみんな抜く。

CPUクーラー換装作業はPCケースを寝かせて行う。 新しいCPUクーラーはヒートトシンクが大きいので手や指が入るかどうかが問題なのだ。うまくいかない時は電源ユニットを 外したり、最終的にはマザーボードを外すことも覚悟している。

まず、右の写真のようにピンの上からマイナスドライバーで下に押しながら反時計回りに90度回す。これを4つ行い、 黒いピンだけを上に引き上げる。これでピンが抜けたのであとはヒートシンクを持ちあげれば外れるという訳だ。

やっぱりグリースが暖まっていて容易く外すことができた。2年ぶりに見るCPU、Core 2 Duo E7400だ。 残っているグリースをエタノールを浸みこませたウエスで拭き取った。ソケット周りのホコリも綿棒で掃除する。 この辺りのヒートシンクも高速ファンの風で冷却していた跡が伺える。





新しいCPUクーラーKABUTOを当てがってみる。(写真左下)寸法は解っているが、こういうものは実際に当ててみると いろんな発見があるものだ。まずCPU用の12V電源ケーブルが作業の邪魔になる。それからピンを押す時に1本だけ 電源ユニットがどうしても邪魔になるので電源ユニットのネジを外して少しずらした。(写真中)指が横から入ればいいのだ。



CPUクーラーを裏返し、保護シートを剥がす。そしてintel用の脚を取り付ける(ネジ4か所留め)。ピンの構造をもう一回確認する。 時計回りに90度回ったところで準備OKだ。これを押すとマザーボードの向こう側に黒いピンが飛び出る仕掛けだ。

本当に難しいのはここからで、既にケースに収まっているマザーボード上で、いかに正確にピンを穴に挿すかという事だ。 ヒートパイプの向きはケースを立てた時に下向きか、横向きならOKだそうだ。上向きはNGらしい。マニュアルに書いてあった

今回は「ヒートパイプ横向き」で行くことにする。CPUに塗るグリスは付属していたのでこれを使う事にした。 真ん中に米粒より少し多い目に出してヘラで平らに伸ばした。準備はOKだ。(塗りすぎもダメらしい)

CPUクーラーを持って入れてみるとヒートシンクがデカくて影になりピンがよく見えない。LGA775だけでなく1156や1366にも対応しているため、 ピンの位置に遊びがあるのだ。これが作業をやりにくくしている。

でも、なんとか穴の位置を見つけて4か所に着地する。あとはしっかり押し込むだけ。押してみた 1回目は手ごたえが「フニャ」だったので、すぐに抜いたらピンが曲がりそうになっていた。(失敗するところだった)

今度は慎重にやる。4つの穴に着地した。懐中電灯で照らして見た。暗くて狭くてやりにくいのだ。 対角線の2本を力を入れて押し込んだ。パチっと入った。あと残りの2本も横から指を入れて押し込む。

4本入った

あとはゆっくりCPUファン電源コネクターをマザーボードに挿した。 作業の邪魔なので抜いてあったCPU電源(12V)を忘れないうちに挿し、電源ユニットも元通り固定した。ミスはない筈だ

出来上がりはこんな感じ

かなり大きい。ミドルタワーのケース内でもかなりの威圧感だ。 しかし起動すると、ファンは穏やかに回転し、とても静かなのであった。 メモリーソケットに干渉しそうでしていないのだ。

電源ユニットから不要なケーブルがたくさん出ている。プラグイン式のユニットならこんな事には ならないだろう。なんとか上の方で束ねた。


大事なのはこの後だ。CPUをちゃんと冷やせないと意味がない。ちゃんと組み付けたと思ったCPUクーラーも、 しっかり正しく装着されていないとCPUとの接地面積が減り、CPU温度は上がるのでモニタしなくては。 ノーマルのクーラーの時に取っておいたHWiNFO32の画面で比較してみよう


■ ファンの回転数とCPU温度

左はリテールCPU付属クーラーで計測しておいたHWiNFO32(ハードウェアチェックのフリーソフト)の画像。 アイドル時CPU温度は34℃、マザーボード温度が41℃となっている。室温は24〜25℃くらいで測定。
表の下の方を見ると、CPUファンの回転数が1,500rpmを上回る高速だという事が解る。

BIOSで、CPU FANのコントロールは[Auto]の設定だった。



右がCPUクーラーKABUTOを装着した後のHWiNFO32の計測値

CPU温度は26℃、マザーボード温度が35℃となっている。 これはアイドル時の比較なので、普通に使用しているとマザーボードの温度は40℃近辺になる。 CPUファンの回転数は539rpmと非常に遅い事が解る。
Core0の温度がいつも40℃固定なのはよくわからない。

ゲームをやってCPUに負荷をかける。タスクマネージャでCPU使用率を見ると50〜60%くらい。 これでCPU温度が35〜38℃などというように上がっていくと、 それに伴ってCPUファン回転数が600〜750rpmというように上がっていくのを確認した。 750rpmくらいではとても静かだ。

見ていると、CPUが40℃になろうとするとファンが800rpmくらいまで上がってCPU温度を下げるようにしている感じだ。

CPUクーラーの換装する事になって初めて知ったのだが、BIOSのCPU FANの項目でSmartControlをAutoにしておけばいいのかと思ってたら、 Auto以外にも種類があって、電圧によって回転速度を制御する[Voltage]と、 回転のパルスを受けて計算してコントロールする[PWM]という方法があるらしい。

PWM制御はリテールCPUに付属しているファンを使う事を前提としているとの話だ。 なのでCPUファンのコネクターは4ピンになってるらしい。(例外もあるけど)

ということは、現在PWM制御を選択していないので、市販の3ピン式のケースファンに 替えても今と変わらないのだろうか? ならば、以前ケースから外して交換した12pのLEDファンがあるので、これに変えてみたらとうなるか試したくなった。 取りあえずはこのまましばらく使って異常がないようならまたイジってみよう



当記事に基づいておこなった作業によるトラブルに関しまして当方では責任を負えません。全て自己責任でお願いします


2015/08/20更新