2010/04/21 |
■ 実験くんで地デジを見よう |
実験用のPCに市販のミドルタワーケースを用意したので中が広くなり、いろんな実験がやり易くなった。
こんど試してるのは、「将来、部屋のAV機器の代わりを全てPCでできないか?」という 少し先を見据えたテストだ。 まずPC用の地デジチューナというのは、どの程度の物なのかテストしたい。 外付け、内蔵タイプ、USB挿込みのminiB-CASカードタイプ、地デジ以外にBSとCSも観られるタイプ、 ダブルチューナ搭載型など、調べてみるとたくさんある。 今回は、これ1枚で地デジ・BS・110度CSの3波受信できる内蔵型チューナにした I-O DATAやBUFFALO、アースソフトやピクセラ、エスケイネットなどからも出ている。 W録をしたい場合などはピクセラがいいという話だ。この他にも、コピーがフリーなちょっと怪しい製品も出ている。 BSも受信したいので3波受信のI-O DATA GV-MVP/VSにする。ネットで40%引きで購入。 評判は良かったり悪かったりと、とにかく皆さん意見が多い。よく売れてる事は間違いなさそうだ。 PCで地デジを観ると「コマ落ち」というカクカクした映像になる事があるらしい。 購入する前にI-O DATAのサイトで「地デジ相性チェッカー」をダウンロードして調べたら環境的にはOKだった。 でもコレは実際に使ってみなきゃわからない 使うマザーボードによっては中央のヒートシンクが邪魔をして、地デジのボードがスロットに挿せない事もある。 この辺りは物理的干渉といって、入らない物は絶対に入らない。事前に寸法をよく調べおく必要があるようだ。 実験くんに使ってるマザーボードFoxconn A7GMSは中央ヒートシンクが低いので何とかなりそうだった。 PCI-Ex1スロットがある列だけ意図的にヒートシンクが欠けてるようなマザーボードもよく見かける。 TVチューナをPCに挿すのは初めてなので、わからない事が多い。 マニュアルをよく読んで、B-CASカードを入れてからPCI-Ex1のスロットに挿す。 とても小さい基板だ(ロープロファイル対応)。アナログチューナよりもデジタルチューナの方が仕組みが簡単なのだそうだ。 しかしコレだけで地デジ・BS・110度CSが観られるなんてすごいな。 B-CASカードの位置がヒートシンクの近くなので心配だ。 カードが表に出るタイプの方が良かったかな? これで背面に出た端子にアンテナ線を繋ぐのは解るが、テレビを視聴するために、あと何をすればいいのか? マニュアルによると、付属のCDでドライバをインストールし、続いて「mAgic TV」というアプリをインストールする。 これがテレビ視聴用のソフトなのだ。観る、録る、番組表と録画予約、編集とダビング機能があり、まるでHDDレコーダーだ。 再起動して初期設定をする。地域や郵便番号を入力すれば、チャンネル設定はソフトにお任せでOKだ。さて映るかな? アッサリと地デジ視聴できました(少しカクカクするけど) 「mAgic TV」の起動から映像と音声が出るまで少し時間がかかる。あと受信波の切り替えも遅い。 操作はほとんどマウスでできるが別売りのリモコンもあるらしい。 リモコンはこのチューナーが信頼できる事が解ってからでもいいだろう。 録画データの行き先がシステムドライブに保存する設定だったので、Dドライブに変更しておいた。 マザーボードの熱が気になるので、冷却をする事にした。前の実験くんで使っていた8cmファンを側フタに設置しよう。 ビデオカードもファンレスなのでこの辺りに外気が当たるのはいい事だろう。 パッシブダクトの下の通気穴へ取り付ける。 ファンのコネクタ分岐も前のケースのヤツを流用したので今回はタダだ。 視聴とHDD録画と再生はできた。CPUにかなり負担がかかるようだ。 モニターは今のところHDCP対応ではないのでハイビジョン映像ではない。 次はダビングしたくなった。 デジタル放送には著作権保護がしてあるのでいくつか制限を乗りこえないとならない。 「ダビング10」ができてから9回までコピー可能で、最後の1回はムーブとなって消える仕組み。 しかし簡単にダビングできるのかというとそうでもない。 DVDのドライブと、使うメディアがCPRM対応してないとダビング不可だ。 そしてこれらを全てクリアしてダビングできても、他の機器では再生ができない仕掛けになっている。 ちなみにCMカット編集をしてみたがスペックが低いせいか、動きが遅いのでこのままでは実用的でない ・・・と、いろいろあるのでここではもう触れず、地デジが「観られた」・「録画できた」・「再生できた」でヨシとしよう。 いいCPUとビデオカードがあれば、もう少し映像がスムースで見やすいかも... あと、ドライバとアプリは一旦CDから入れた物をアンインストールして、メーカーサイトから最新版をダウンロードして アップグレードという形で使うよう推奨している。 その際、本体にあるシリアルナンバーを問われる仕組みになっていた。 ■ 部屋でひとりで使うなら良いかもオレの部屋のAV機器は古くなっている。 2001年のブラウン管テレビは少し同期が狂っており、もうリモコンの効きも悪い。 HDDレコーダーも旧式で容量160GBと小さくダビング10に対応しておらず、シングルチューナーだ。 地デジが見られるのはこのレコーダー1台で、これで何かを録画中とかダビング中には観る事もできないという状態になる。 もうそろそろテレビとレコーダーを買い替えたい。もし普通にテレビを地デジ対応に買い替えると一般的に32インチが7〜8万円くらい。37インチになると10万円超える。 あとHDDレコーダの買い替えが5万円くらい、もしブルーレイなら8〜10万円くらいかかる。 (2010.4現在の相場で) 合計するとけっこうな金額だ。これをみんなパソコンだけでカバーできないか? 得か損か? そこで、ちょっとまとめてみた。 地デジを組み込んだパソコンを自作するのと、地デジのテレビやHDDレコーダの製品を購入する場合を比較した (ここではメーカー製地デジ内蔵パソコンを購入する方法は比較していません) |
プラス要素 ・TVやレコーダーを購入するお金でPCが作れる ・大容量HDDの増設が安くて簡単 ・凝った編集やダビングがPCソフトでできる ・後からでもパーツを自分で交換できる ・CDの読み書きと取り込みができ、曲もすぐ聴ける ・ネットに繋いで音楽のダウンロードができる ・ハイエンドPCを作るのが楽しい |
プラス要素 ・操作が簡単で、すぐ観られてすぐ録れる ・ほとんどの機能がリモコン操作でできる ・大画面が手軽に楽しめる ・安定して使い続けられる可能性が高い ・ダブル録画も普通にできる(対応機種のみ) ・録画機能付きテレビなら1台で全て済む ・長期メーカー保証が受けられる |
マイナス要素 ・起動時間がかかるのですぐに使えない ・あんまり大画面のモニタがない ・PCの電源との兼ね合いで予約録画が面倒 ・不安定で、失敗すると高くつくリスクも ・モニタを独占するので家族向きではない ・メーカー保証はパーツ単位になる ・TVゲームがあると少し話が変わってくる |
マイナス要素 ・1台の価格が個々に高額 ・HDD容量が価格の割に小さい物が多い ・凝った編集をする場合にはパソコンに劣る ・次の買い替え時、また高いお金がかかる |
パソコンなら何でも地デジ対応にできるかというと、そうでもない事がわかった。視聴だけならまだいいが、編集やダビングすると
かなりCPUに負荷がかかるようだ。それなりのCPUとメモリ、比較的新しいビデオカード(HDCP対応)が必要だ。HDDの空き容量も要る。
ウチの実験くんのようなローエンドPCに地デジチューナを入れると、かえって面倒な事になりかねない。
モニタも何でもいい訳ではなく、HDCP対応の物でないとハイビジョンにならない。 RGB接続でも映るがアナログ画質となる。 一人暮らし、または自分の部屋専用ならば地デジの視聴・録画をPCが一手に引き受ける形でもいいかもしれないが、 そうでない場合はあんまりメリットがないような気もしてきた。やっぱり使いやすい単品のHDDレコーダやテレビにはかなわない。 自分でビデオカメラで撮った映像を編集してオリジナルDVDを作りたいような場合はパソコンが有利だ。 また、上記の選択肢にはないが、テレビ(モニタ)だけは地デジ対応の物を買ってPCと合わせて使う方法もある。これが意外と便利かもしれない 今回はPCが「実験くん」だったので、スペックが優っているメインPCでもやってみたくなったが、それはまた別の機会に・・・ |
2010/09/06 追記 |
■ サポートソフトを更新しないとダメ |
実験くんに地デジを入れて半年くらいたった。
このPCでは地デジ視聴ソフトと編集ソフトががサクサク動かないので、どうしてもテレビチューナを使う機会が減り、
ましてやブルーレイ書き込み計画なんかも滞っていた。というか、やる気を失っていた
先日、何気なく久しぶりにmAgic TVを起動してみたら様子がおかしい。 電波の切り替え(例えばBSから地デジへ)を行うと失敗する。 あと、EPGを取得するよう促され、実行するとエラく待たされた上に失敗、またはフリーズしてしまうといった状態だ。 「電波状況が悪い」とかウチの環境のせいにされたこともあった。(アンテナ端子を繋ぎ替えたりして点検が大変だった) どうにもこの付属ソフトは思うようにいかない。何度試しても同じ結果だ。 再生はできるのかと思い、以前録画した番組を再生したら問題なかった。 チューナがおかしいのか、ソフトの欠陥なのか、システムの異常かわからない。 システムの不具合を疑い、前の復元ポイントに戻したりしてみたが、このmAgic TVの不安定さは変わらない。 このチューナーを購入した時に最初は付属CDからドライバーを入れて、それからI-O DATAのサイトに行き、 更新ソフトをダウンロードしてアップデートしたような気がする。(シリアルナンバーの入力など、非常に面倒だった) 今回もドライバの欠陥なのかもしれないのでI-O DATAのサイトでGV-MVP/VSのサポート状況を見てみたら不具合の報告があった。) 特に下段の「番組データ更新に時間がかかる」という件がまさにそれである。 これを修正するサポートソフトがダウンロードできるようになっていた。 2010年4月に購入した時点でネット配布されていたドライバがVer. 3.27だったが、2010年6月にVer. 3.31がアップされていた。これをダウンロードした。 前回と同じようにドライバを一度アンストールしてからインストールする形だ。上からインストールしようとすると自動的に 現在のバージョンをアンインストールする方向へ導いて進めてくれるのでそれに従っていればできる。 だいぶ手間だが、まともに動くためならやるしかない。というか、コレ買ったのだからコレしか手はないのだ。 ネットの情報によると、この地デジボードはあきらめて他社製品に買い替える人も多いそうだ。なんだかな・・・ 全部インストールが終わったら、当然初期設定をしなければならない。地上波・BS波・CS波のスキャンが始まる。 そのあと番組情報のEPG取得もあるので、まぁ時間がかかること。 まえに「この付属ソフトでの録画、編集、ダビングはCPUに負担がかかるようだ」という事を書いたのだが、 そろそろこの「実験くん」のCPUをグレードアップしてもいい頃かなと考えている。 そのあとで再度このソフトを使ってみたくなった。 この記事を元に行った作業によるトラブルに関して当方は一切責任を負えません。全て自己責任でお願いします 2012/04/09更新 |