メインPCのケース交換

とうとうメインPCのケースを替える時がきた


2014/01/25

■ これまで使ってきたケース

初めてのケースは5年前のPC組立てキット指定のScytheの製品で、500W電源搭載というケースだった。

これを今度は電源非搭載で、高級な製品に替えたい。今頃のケースはパーツの換装が ずいぶん楽になっているというではないか。裏配線が可能、2.5インチベイやフロントUSB3.0等は当り前らしい。

もちろん月日が経ったというのもあるが、ケースも進化して安くなった。 そろそろいいケースを買う事にした。選んだケースは

  Antec ELEVEN HUNDRED 11,000円  (購入当時)

AntecとかCOOLER MASTERとか有名どころにしてみたかったのだ。 Scytheの悪口を言ってる訳ではなく、安いケースはやっぱりそれなりの作りなので、 パーツ換装のやり易さとかメンテ、エアフローなんかを比べたらかなわない

それに、最初から電源付きというのは、初めて自作する人には楽でイイかもしれないけど、 一応5年ほど自作やってるので単品で電源ユニットを付けるやり方が当たり前な気分になっている。


■ 新しいケースで作業開始だ

ELEVEN HUNDREDはこんなケースだ。ヨドバシカメラで買って来た。 ネット販売も安いのだが、ケースだけは実物をよく見て触ってから買いたいので店頭で選んだ(ポイントもあったし)。 今までのケースと並べて見るとこんなに大きい



ゲーミングケースだそうだけど、見た目そんなにゴツゴツしてなくて無難なのでコレにした。 天板に20cmのファンまで付いてるけど出っ張ってはいない。5インチベイなんか少なくなってる。 そして今頃のケースの特徴、3.5インチのオープンベイがない。

今までのパーツをそのまま移植する作業だ。なので1台組む時の倍くらい時間がかかる程度かな? と思ってスタートした。一応、データは外付けHDDにバックアップしておいた。



■ まずは電源を移植

電源は、Scytheのケースに搭載されていた物ではなく、既に1回買い替えている。 プラグイン式ではないので使わないケーブルも沢山ついてくる。 しかしケースがデカいのでそんなに邪魔にはならないだろう。 全てのコネクターを抜いて取り外し、ファンを見る。すごい埃だ。 これは掃除しない訳にはいかないだろう。早くも時間かかる予感だ。



掃除機の先に細いノズル付けて、反対側から電源ユニット内の埃をエアダスター吹き飛ばしながら吸い取った。エラい量の埃が出てきた。 毎日電源入れてるので仕方ないな。


どのパーツも大事なのだが、電源ユニットというのはちょっと異質な感じがする。 大事な電源を供給している割に、いわゆる「PCの構成」からは1歩離れた外野的な印象を受ける。 電源が壊れたら下手すると、他のパーツも壊す恐れがあるので「電源だけはケチるな」なんて言うくらいだ。 こういう物は出来れば壊れる前に買い替えたいものだ。

ケースに取り付けた。今回は底面設置の底面吸引ケースなので向きを間違えないように気を付ける。

そして、初めての裏配線だ。写真のように早速メインコネクターを裏へ取り出す。 CPU横の12Vの方はそのままでは裏配線するとコネクタに届きそうもないので裏配線はしない。

一応80PLUS認証で700Wの電源だけど、下のランクなのでそんなに効率の良い電源ではない。 2010年4月に換装しているようだ。(サブPCの電源が壊れたのでこちらの電源をサブに譲ったのだ)

この時、もうちょっと奮発してプラグイン式にしてたら配線も楽だっただろう。 次回の電源ユニット購入の時にはもっと高級品にしよう。 結局こういう考え方になるから「自作PCは決して安くない」なんて言われるのかもしれないな・・・


■ ストレージ接続のコネクタの位置に注意

パーツを引っ越すだけだから、今まで繋がってた物を外して新しいケースでテキトーに繋げば元通りになると思いがちだが、 そうもいかないのだ。HDDやSSDなどのストレージをS-ATAコネクタに繋ぐ際、コネクタの位置が重要なのだ。

元と同じナンバーのコネクタに繋いでやらないとドライブレターが変ったりしてややこしくなる事がある。 なので紙に簡単な図を描いて、どのコネクタにどのストレージを繋いであったかをメモっておいた。

今更だけど、PC組み立ての時にメモはいろいろ役立つのでこの後も登場します。 忘れてしまいそうな事は面倒がらずに紙にメモりましょう。デジカメで撮影するという手もある。

あと小物を分けて入れられる容器もあった方が部品の紛失を防ぐことができる。 100円ショップなどで売っている小物入れがいい。もっと大きければなお便利。 ミリネジやインチネジ、ファン用ネジ、ワッシャ、スペーサーetc

それ以外にも、ケーブルタイは必需品。まだPS/2とかがあった頃にはPS/2→USB変換プラグなんかもみんな取ってあった。

自作PCの工具は「ドライバー1本で事足りる」なんて言うけども、実際には ニッパー・懐中電灯・ライト付きルーペ・ラジオペンチ・ロングドライバー・精密ドライバーなんかが欲しくなります


■ フロントのファンも移植

今回のケース(Antec ELEVEN HUNDRED)の場合。背面に12p排気ファン1個、 天板に大きな20cm排気ファン1個が付いている。その代わりと言っては何だが、前面に1つも吸気ファンがない。 しかしスペース的には12cmファンが2個入るようになっている。ネジ穴とエアフィルターも完備なので、 自分で好きなファンを購入しなさいという事らしい。

 

旧ケースの排気ファンがちょうどいいのでコレを移植しよう。LED付きファンなので 前面のメッシュの隙間から青い光が漏れて、見た目にも恰好いいだろう。

基本的な事だが、ファンの取り付けには風向きの確認が大事だ。 逆向きに付けたらエアフローがおかしな事になる。

上の写真のように、ファンの側面を良く見ると回転方向と風向きが矢印で刻印がある筈だ。 もし印がない場合は付けて回転させてみて確かめるしかない。

今回の場合は旧ケースに付いてた向きのまま前面に付ければ済む話なのだが、 ファンの掃除をしたりしてるうちに向きが解らなくなる事がある。

フロントに12cmファンが縦に2個付けられるが、そんなに冷やす必要ないので(音もするし) 1個だけ取り付ける。場所はHDDを冷やせばいいので上段に付ける。

今までこのファンはケースの背面から太いネジで留めてあったが、 フロントに付ける場合は少し長めの細いネジで留める方式だった。 (最初しばらくコレに気づかなかった)


■ マザーボードの引っ越し

さて、面倒なマザーボードの引っ越しをしよう。ビデオカードもケーブル類もみんな抜いて、 ネジを外すのだが、それだけではケースから抜けないのだ。(勿論CPU、CPUクーラー、メモリは付けたまま)

旧ケースは奥行きが短いのでHDDのお尻が邪魔をして出られないのだ。HDDだけ先に抜いてしまえばいいのだが、 どっちがHDD1だったかHDD2だったか間違えそうだし、HDDだけ裸で置いて作業するのも何となくイヤなので、 何とかマザーボードを先に取り出したいのだ。

このケースで以前マザーボードの入れ替えをやった時の要領で、一旦HDDをケース手前へ押してズラしておき、 マザーボードが通る間だけ待避してもらう事にした。

なんとかマザーボードを取り出した。

ぱっと見、デカいCPUクーラーしか見えない感じだけど。これでもちゃんとATXのボードです

CPUクーラーが激しく埃まみれなので掃除する。ファンは一旦ヒートシンクから外してキレイにする。 放熱フィンの隙間にはいっぱい埃が詰まってる。

ケースに装着したままではできないような角度からエアダスターで埃を吹き飛ばし、 同時に掃除機で吸い取りながら掃除したらきれいになった。 こういう機会でもないと、こんなメンテできないから良かった。

本来ならば、CPUクーラー丸ごと一旦取外して掃除し、グリース塗って元通りに取り付けるんだろうけど、 そこまでやる気はなかった。

マザーボードをケースに入れる前に、忘れがちなI/Oパネルの取り付けをした。

新しいケースには予めスペーサが6つほど留めてあったが、 この位置が合わないマザーボードもあるので、変な所にスペーサが当たたらないよう、 実際のマザーボードのネジ穴位置とよく照合して確認した。

今回は問題なかった。そして、ケースに付属のスペーサーをあと3つ足した。ここはペンチでシッカリ締める。

オススメはしないけど正直、全部の穴を止める必要もないと思っている。 力のかかる場所(電源コネクター付近や拡張ボードを挿す場所など)以外はだいたい留まっていれば大丈夫だ。



マザーボードの固定が済んだ。中が広いので、まるでMicro-ATXボードのように見える。ビデオカードを挿す。 スロットは2箇所選べるのだが、たぶんココでいいだろう。 PCケースのサイドの通気口の位置とビデオカードのファンの位置関係も合ってるみたいだし。 しかしこのケースにこのビデオカードはあまりにも貧相だった。 急に気が変わってPCで3Dゲームやるようになっても、このケースなら長いビデオカードも楽勝だ。


■ ストレージの取り付け

いよいよストレージの取り付けだ。ここまでは収納箱とマザーボードだから母体を準備していたような感じだ。 このタイミングで言うのも変だけど、冬場の作業なので、ファンの埃を拭いたりした後は 静電気が怖いので、度々水道管とかキッチンの金属部分などに触れて静電気を逃がしながら作業した。



3.5インチベイに横向きにHDDを取り付けるのだが、ツールレス仕様なので、 ケースに付属の専用ブラケットのようなものを両サイドに挿すだけで準備完了だ。 あとは好きな高さへ挿し込むだけ。フロント吸気ファンの風が当たる場所に

だからここではドライバーやインチネジなどが要らない。 ただ今回は旧ケースから取り出すためにHDD2機あるので合計8個のネジを外した。 ツールレスに慣れるとネジ回し面倒だな・・・(実はサブPCケースも既にツールレスなのだ)

しかもOS領域として使っているSSDもある。こちらは2.5インチなので、 3.5インチに合せるための金属製のマウンタ用のネジも外してやる。さらに6個のネジを外す

このまま3.5インチのストレージとして 余ってるシャドウベイに挿しても良いのだが、せっかく2.5インチ専用スペースがあるので マウンタは取り外した。外したネジが増える増える。

このケースの2.5インチベイは、そのまま挿し込んでネジ留めは片側1箇所のようだった。

SSDはそんなに発熱せず、中で回転するパーツでもないし、ショックにも強いので、比較的 ケースのどこに付けても大丈夫なパーツだ。

いつだったか、SSDを買い替えてSSD→SSDというOSの引っ越しをやった事があるが、あの時は 片方は面倒なので何も固定しないで宙ぶらりんのままやった覚えがある。 (マネしてはいけません)

キレイじゃないけど、写真のように取り付けと配線が完了した。 一番上の見にくいのがSSD。2機のHDDの間隔はこのくらいで落ち着いた。

このケースだとシャドウベイの間隔があるので1段分あけなくても元から間隔が空くのだが、 ベイの数に余裕があるので1段分あけた。

上からSSD・HDD1・HDD2という順序は旧ケースのままなので、 電源ケーブルの曲がりグセもそのまま残っていたのでやり易かった。

だた一番上のSSDだけ奥行が短いので挿しにくかったけど。そんな時のための懐中電灯だ。 マザーボード側のS-ATAコネクタもメモを参考にして元通りの場所に挿した。

順序としては電源とS-ATAケーブルをできるだけ引張り出しておいて、SSDだけ明るい所で接続を済ませてから 挿入するのが安全だったかもしれない。わからんけど・・・

こちら、位置的に自然と裏配線となる(ケース正面から向かって右側なので)

つまり左パネルを外して見た時、ほとんどケーブルが見えなくて本当にイイ感じだ。 今ごろ初めて裏配線して若干浮かれ気味であった。


■ 光学ドライブの取り付け

光学ドライブはパイオニアのブルーレイドライブを使用している。初めて自作した時にはDVDドライブだったのだが、 それはサブの自作PCに譲ってこれに買い替えた。

最近の高性能PC小型化にこだわる人は光学ドライブを付けないという流れもある。 確かにOSのインストールだってUSBメモリからできるし、 CDからのインストールが必要な時だけ接続するなんていう人もいる。

音楽CDから曲を入れたり、映画の鑑賞などをする予定がないのであれば、 なくても済むパーツになりつつある。

オレの場合はPCで映画観賞まではしないけど、CDから音楽を取り込んだりするので光学ドライブは要る。 OSインストールも光学ドライブ派だ。

ただ、BDである必要はないのだが、別のPCのDVDドライブが壊れたので、コチラのDVDドライブを移植し、 その時に何となく今の時代はブルーレイだろう!となった訳である。

光学ドライブはケースの前から出し入れする。 ツールレスなので、サイドにある止め具でカチンとハマる。

フロントカバーとのツラ合わせ作業は不要だった。
よくできてるなと感心する。旧ケースではミリネジで留まっていたのでまた4本ネジが余った。

ケースのフロントカバーは下の隙間に手を入れて引っ張ると外れる仕組みになっている。 この留め具がプラスチック製なのが少し残念だ。メンテ等でよく開け閉めするので金属製にして欲しかった。

また、5インチベイが3つしかないと評判があまり良くないらしいが、 今まで1つしか使った事がないのでオレの場合そこは気にならない。 それよりは3.5インチのオープンベイが1つ欲しかった。カードリーダのために

1〜3段目まで板がついて塞がっているので、これから使う所の板だけ何度かひねって切り取ってやる。
フロントカバー側も同じ位置のメッシュカバーを取り外す。これは戻す事も想定して一応取っておく。

電源とS-ATAケーブルを接続した。裏配線が残念ながら届かなかったので普通に繋ぐ(メモの通りの位置に)

残りのベイどちらかに、別売りの3.5→5インチ変換マウンタを付けてカードリーダを付けることにした。 メインPCに付けてたのは白だったので、サブPCの黒のカードリーダと取り替えよう。(サブPCでカードリーダ滅多に使わないけど)


■ ケーススイッチ等の接続

あとはケースとマザーボードの接続が残っている。今回こういった順序でやっているが、 特に根拠はなく、ケースSW類は細かくてやりにくいから他の配線がないうちに、最初に済ませるという選択もあった。

初めて自作する時、一番難しいのはココではなかろうか? 大抵マザーボードの隅の方にあって各ピンが接近していて極性がある物もある。 見にくい、狭い、と面倒な事が多いのだ。

マザーボードによってはココの部分だけをまとめたコネクタを付属品にしている親切なメーカーもある。

このケースは広いので余裕がある。でも旧ケースから抜く前にどの位置に何を挿すかをメモっておいた。 ラクにするのと、間違い防止のためだ。

今回はメモがあったおかげで簡単にできたけど、初見ではライト付きルーペがあるとやり易い。 もちろんマニュアルを見ながら。基板にも略号や極性がプリントしてある事が多い。

フロントUSB2.0端子の接続もあるので接続する。USB3.0端子もあるのだが、 残念ながらこのマザーボードには USB3.0コネクタは基板上にはないので今回は使用しない。(背面端子についているだけ) 音声関係はHD AUDIOというコネクタを接続する。これによってヘッドホン端子・マイク端子が生きる。


 

いつかやってみたかった裏配線は、こんな感じに仕上がった。 あちこちに貫通穴が開けてあるので自由に電源ケーブルを取り回す事ができた。 左の写真で、1本だけ上の方に行ってるのはリアと天板のファン用電源だ。

そしてマザーボードへのメイン電源の供給だ。24ピンのコネクタを裏配線してしっかり挿す。

右の写真で解るが+12VのCPU電源ケーブルだけは裏配線が届かなかったので、 最短距離で仕方なくビデオカードを乗り越えるような形になってしまった。これは延長ケーブルを使えば裏から回せるだろう。

これで何とか旧ケースから新ケースへの引っ越しは終わり

何か忘れていないか、いろいろ見回す。旧ケースに何か残ってないか? 白いカードリーダが残ってるけど、上記にもあるようにカードリーダはあとでサブPCから移植するんだった。

ファンはフロント1、リア1、天板1、CPUクーラーに1個、グラボに1個といった具合だ。 全部接続した。たぶん大丈夫だろうという事で電源を入れた。 無事に動いた。ストレージ関係もドライブレターが狂う事もなく合っている。LEDの極性も合ってる。よかった。

しかし最も怖かったのは静電気だったりしたのだ・・・それとHDD待避の時、 あんまり滑らないので強めに押したら「カコン!」って内壁に当った時はちょっと焦った。 HDD逝ってなくてよかった。

こんど交換するパーツの候補としては電源あたりかな? 途中でも書いたけど、壊れる前に交換すべきものだからね。 それにあの埃まみれ具合にはちょっと引いた(このケースはフィルター付いてるけど)。 中身を引っ越ししただけなのでPCとしての構成は何も変わってないが、一応自分用の目的で構成を載せておきます。

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CaseELEVEN HUNDRED Antec
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当記事に基づいておこなった作業によるトラブルに関しまして当方では一切責任を負えません。全て自己責任でお願いします


2014/9/9更新